私がアメリカでお世話になった方で、アメリカで日本人の男の子の家庭教師をしていた人がいました。
何でも、男の子は14歳ですが英語の読み書きが上手くできないので雇われていたそうです。
アメリカの学校に通っているので会話はできるそうですが、どうも英語の読み書きは普通のアメリカの14歳のようにできない。
かといって、日本で教育を受けていないので日本語の読み書きもできません。
会話は親と日本語でしているそうです。
アメリカに暮らしながら休暇の度に日本に帰る家族だったそうで、不思議なことにその14歳の男の子は英語でも日本語でも読み書きが上手くできなくなってしまったそうです。
もちろんその男の子は日本語も英語も喋れるバイリンガルです。
でも、読み書きに関してはどっちも不完全なので苦労している。
日本の大学は入れないし、アメリカの大学でも苦労をするだろう、とその家庭教師の人は彼の将来を心配していました。
私も少し心配です。
この彼の家族の問題点は、彼の親がまだこれから生活の拠点をアメリカにするか日本にするか決めかねているところかもしれません。
日本の大学は、海外の高校やインターナショナルスクール出身の生徒は帰国子女枠でないかぎり入れません。
アメリカの大学は、私もものすごーく苦労しました。
なぜかというと、ものすごい論文の量だからです。
私は心理学部なのでテストよりも論文が多かったですが、どの学部でも論文は書かなくてはいけないです。
ただ、英語力ゼロで行った私がどうにかできたんだから既に喋れる彼にとってはアメリカの大学に進学する方が良いのかなと思います。
問題なのは、彼が文章を書く能力のベースができているかどうかだと思います。
私は英語力はゼロでしたが、第一言語の日本語で文章を構成する能力は義務教育のときから学校でたくさん書かされて、日本人として18歳並の文章が書けました。
なので、アメリカで英語で文章を書き始めたときは
日本語で書けていた文章のレベルを目指して辞書と一緒に戦っていました。
この第一言語と第二言語のおもしろいところは
よく第二言語は第一言語以上に上達しないといいます。
第一言語がどれだけ発達していたかというのは第二言語習得の鍵でもあります。
第一言語で分からない言葉は第二言語で分かりようがありません。
バイリンガルってね、思っているより色んなケースがあるんですよ…
二カ国両方バランス良くネイティブ並の人もいれば
片方の言語の方が得意な人も入れば
どっちも不完全のままの人もいる…
環境の違い等色んな事情があると思いますが、教育って大事だと思います。
今回は実際に聞いた男の子のケースについて、紹介しました。
バイリンガル教育に関しては、また今度。